前回、静電気ぼこりへの思いを書きました。
静電気ぼこりを退治するには、レコードに静電気が溜まる=帯電する仕組みを理解しないといけません。
静電気が発生するメカニズムを調べると、様々な仕組みがあるのだなーということがわかりました。
その中でもレコードに関係ありそうなのは「剥離帯電」と「摩擦帯電」の2つではないかと気付きました。
剥離帯電とは?
文字の通りですが、2つの物質が剥離するときに発生する静電気です。
車の椅子から立ち上がり、車から降りてドアノブを触ると「ビリッ」とくるあの静電気は、まさにこの剥離帯電の原理。あと、セロテープなどをピッと剥がして貼ろうとすると、貼ろうとする相手の紙がセロテープに引き寄せられることがありますよね。あれも剥離帯電の原理です。
レコードの場合に置き換えると、ジャケットの内袋からレコードを取り出すときに「剥離帯電」が起きます。これが馬鹿にならない帯電量になるのですね・・・
摩擦帯電とは?
こちらの方がイメージしやすいかもしれませんね。2つの物質が擦られるときに発生する静電気です。
子供のころから親しんだ、あれです。下敷きをこすって頭に近づけると毛髪が引き寄せられてピンと立つ、あれですね。子供時代にこれをしなかった人はいないのではないですかね?
レコードの場合だと、カートリッジの針先がレコード盤をこする、この時に発生するのが摩擦帯電です。
図にするとこんな感じです。
レコード製造年代によって帯電量が違う??
ただ、静電気というのは目で見えないですし、イマイチわからない世界です。そこでテスターを入手してみようと思い立ちました。
しかし…静電気テスターって高いんですね!!
当然ながら新品では手が出ないです。そこで中古を探しに探し、我が家に来てくれたのがこちらのSIMCO FMX-002というテスターです。
対象物までの測定距離がLEDのマーキングでわかりやすいのがいいですね。
早速レコードを測定測定!
まずはジャズファンなお馴染みの Art Pepper “Meets The Rhythm Section” です。一応、1957年発売のオリジナル盤です。
測ってみます…
数値は…420V。これってどんなもんなんでしょう?
続いてこちらです。
最近発売された “BLICHER HEMMER GADD” スティーブ・ガッドが参加している、サックス+オルガン+ドラムという渋いトリオです。
測ってみます。
数値は、なんと5,700V!(右にHiのマークが出てます)いきなりの大台です。
続いてこちらを測ってみます。
Norah Jones “Come Away With Me” 泣く子も黙る名盤ですね〜。
数値はなんと!
9,600Vまでいってしまいました!
その後、あれこれあれこれ、レコード盤を引っ張り出して計測してみたのですが、どうもわかってきたことがあります。
レコードの製造年代によって静電気の帯電量が大きく異なる
ということでした。
一概には言えませんが、1960年代くらいまでのレコード盤は静電気の帯電量が低いです。
それに比べ、1970年代以降のレコード盤の帯電量は飛躍的に高くなる傾向があります。
中には20,000Vにもなる盤がありました。
現時点ではまだわからないのですが、恐らく製造年代でレコード盤の素材割合が変化したか、もしくは素材そのもののグレードが変化してきたか。
この不思議には、時間をかけて解明に取り組んでみたいと思っています。
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