ダイヤモンドカンチレバーを採用したフラッグシップモデル「アナログリラックスEX2000カートリッジ」を発売いたします。今回のEX2000は、ボディに「ストラディバリウス」の素材が切り出されたと言われる「北イタリア南チロル地方」の最高級「スプルース」を使用し、その表面には超微粒子の粉体塗装を施すことで、より自然な響きのある再生音を実現しました。
EX1000を超えるために
現在の「アナログリラックス」ブランドとしてのトップエンドモデル、EX1000。おかげさまで発売以来世界中で大変ご好評いただき、メインカートリッジとして多数のお客様にお使いいただいています。
さらなるフラッグシップとして「ダイヤモンドカンチレバー」モデルを!というお声を多数いただいておりましたが、このEX1000を超える音に仕上げるために、非常に苦悩しました。開発期間も優に2年以上かけて、じっくりと熟成させてきました。一番苦心したポイントは「ダイヤモンドカンチレバー」特有の問題です。それは何か?
ダイヤモンドカンチレバーの呪縛
物質の剛性を示す値として「ヤング率」というものがあります。このヤング率が大きいほど「剛性が高い」、つまり「たわみにくい」ということを示します。そしてそのヤング率が高い物質の筆頭に上げられるのが「ダイヤモンド」なのです。
なのでダイヤモンドをカンチレバーに使用すると、たわみがほとんどなく、レコードの溝の振幅を余すことなく拾うことができる=いい音になる、という理屈が成り立ち、最近ではダイヤモンドカンチレバー採用のカートリッジが増えてきました。
しかしダイヤモンドカンチレバーを装着するだけで、果たしていい音が出るのか?
答えは「No」と言わざるを得ません。
ダイヤモンドカンチレバーカートリッジでの再生音を聴いた方にはわかるかと思いますが、情報量は非常に多いけれども、少し「キンキン」とした緊張感のある音のイメージが耳に残っているかと思います。
まさにこの問題を如何にクリアし、音楽的に没頭できるカートリッジを作り上げるか?ここが最大の課題でした。
この課題に対して、針先の開発、ダイヤモンドカンチレバーの太さ、構造の見直し、など、長い月日をかけて試作を繰り返し、この度ようやく発売にこぎつけることができました。
「ストラディバリウス」と同じ森から切り出された最高級スプルース
ボディには北イタリア南チロル地方でバイオリンのトップ材Tone Woodとして切り出された最高級「スプルース」を使用。
北イタリア南チロル地方は、あの「ストラディバリウス」の素材が切り出されたと言われる森林地域で、その地で厳選育成管理され、乾燥段階も厳重に管理された最高級スプルースを採用しています。
そのボディ表面には、超微粒子の「粉体塗装」を施し、ボディ表面に微細な凹凸を持たせることで、より自然な響きある音を実現しました。
削り出しソリッドダイヤモンドカンチレバー
カンチレバーには「ダイヤモンド」の削り出しを使用。レコードの溝からの動きを逃すことなく発電部に伝えるため、解像度の高いサウンドを引き出します。また他社製のダイヤモンドカンチレバーモデルに比べてやや太め(直径0.4mm)に削り出すことで、より実体感ある音にするとともに、高い次元でのトレース能力を持たせました。
特注SCスタイラスの進化版 Ver.3
スタイラスは、EX1000でも好評を得た「SCスタイラス」を更に進化させた「Ver.3」モデル。当然ながら弊社特注開発スタイラスになります。基本はラインコンタクト形状ながら、縦方向に多数の多面カッティングを施し「内周歪み」をほとんど感じさせない再生音を実現しています。また針先先端の前後に曲率の異なるカッティングを施し、オリジナルレコードや古いプレスのレコード特有の「底チリ音」や「チリパチ音」を拾いにくくすることで、非常にSN感の高い再生を可能としました。
音楽に浸れる至高のカートリッジとして
ダイアモンドカンチレバー採用のカートリッジにありがちな「情報量は豊富だがキンキンとした緊張感ある音」ではレコードを堪能できません。情報量はそのままに、深みとレンジ感、実体感ある音を実現するため、高度なアッセンブル技術を駆使してEX2000は完成しました。
どこまでも滑らかで伸びやかな弦の響き、
フルオーケストラの楽器が手に取るように見える悦楽、
ボーカルの声が目の前に浮かぶかのような楽しさ、
自然な奥行きと広がりの快感、
音楽にレコードに没頭できる至高のカートリッジとして、ぜひ導入されてください。
- 品名・品番:アナログリラックスEX2000カートリッジ AR-MCC-EX2000
- 形式:MC型カートリッジ
- 出力電圧:0.4mv (1kHz)
- 内部インピーダンス:8Ω
- 針:SCスタイラス Ver.3(無垢ダイヤ)
- カンチレバー:ソリッドダイアモンド(直径0.4mm)
- コイル線素材:高純度6N銅
- ボディ:北イタリア南チロル地方製スプルース(Tone Wood)粉体塗装仕上げ
- マグネット:マルチネオジウムマグネット
- 重量:約9.0g
- 全て受注生産です。納期は約1.5ヶ月ほどかかります。
- 全て日本国内の職人が手作りで仕上げます。
- 無垢ウッドボディは自然のものですので、色味、木目、重量などに個体差が生まれます。
- 価格は販売店、またはこちらからお問い合わせください。
メディア等でのご紹介
SISオーディオさんのブログでご紹介いただきました。
https://sisaudio.blogspot.com/2023/08/analog-relaxex2000.html